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小咄




何でだろう。今日の昴は、機嫌がいい気がする。今朝からすこぶる機嫌がいい。
絶対、いい。
そんなことだからなんだかな、こっちの調子が狂ってしまう。
相も変わらない無表情だと周りの人間は言ったが、俺からみたらほくそえむ姿を何度か見えたし、ずっと口角が5度程上がり気味だ。笑っているんだ、ずっと。
もはや、別の生き物に見えてしまう。
そう、得体の知れないやつだ。
絶対、何かある。
それも爆弾のような衝撃的なものが。
朝から俺はその何かについて妄想、いや空想、思考し続けていた。周りからはふざけているといわれたが、いや俺も実際そう思ったのだが、現実から目を逸らしてはいけないと思って。事件が起こってからは遅い。もうある意味事件か。らちがあかない。
だから直接聞いたんだ。当たって砕けろという言葉があるだろう。
すると彼女は、こう言ったんだ。
「笑いって健康に良いんだって」
それだけ!? 思わず、心の中でツッコミをいれてしまった。
なんか負けた気がする。
ただ俺が思うに――腹の底から声を出さないと意味ないと思うぞ、その健康法。



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