☆Sub☆
◇◆◇6◇◆◇
しかし、気が変わった。
「嬉しいな。友達なんて初めてだ。」
と言う藤原勇の言葉で。
俺は面倒事がイヤなくせ、人情家なのだ。
そうじゃなければ、こんな面倒事を起こすようなことは言わない。
「お前どんな人生歩んで来たんだよ。」
「...どんなって普通だよ?」
沈黙があったのは何でだ?
「それよりも、友達と言えば放課後の買い食いだよね!僕、行きたいなぁ...」
ちらっと物欲しそうな視線を俺に投げかけてきた。
俺は半眼になる。
今、確実に誤魔化された。
じっと目線を合わせる。
...........。
負けた。
仕方ない。今日くらいコイツのお守りをしてやるか。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
勇とは、中2でクラスが別になってから会っていない。
俺にも、勇にも何人か友達ができてきた。ここいらが潮時だと思ったからだ。
この頃の勇は、しょっちゅう俺のあとをついてまわった。もう、独り立ちするべきだろう。そう思ったのだ。
しかし、この判断が悲劇を生んでしまった。
そう、今のひねくれた性格になった原因は、この判断にあったのだ。
3年後、再び同じクラスになったとき、勇は今とほぼ同じ性格が出来上がっていた。
そればかりか、あのカワイイ顔は黒のふちぶとメガネで隠されていた。
「お前どんな人生歩んで来たんだよ。」
思わず、出会った当初口にした言葉を言った。
それに対して勇は、
「...どんなって普通だけど?」
と、嘲笑を含めて言った。
あの天使の面影は全くない。
泣きそうになった。
あのときちゃんと保護していれば...
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!