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☆Sub☆
◇◆◇5◇◆◇
何の因果か、藤原勇と同じクラスになった。しかも隣の席だ。

最初は知らんぷりを決め込む気でいたが、できなかった。

なぜなら、
「ねぇ、君カワイイね。」とひっきりなしに、違うクラスのやつや上級生が藤原勇のもとにやって来るからだ。

そこまでは許せた。気持ちは充分分かる。

しかしだ。しかし、
「お父様にご融資の件、よろしくお伝えください。」やら、
「今後ともご贔屓にしてください、頼みますね?」
やら、何しに学校来てんだ、お前らは!
と言いたくなることが多々あった。

だいたい、藤原勇個人と家は関係ないだろ。
誰か一人くらい、友達になろうとかって思うやつはいないのか。

それをついに我慢できなくなり、藤原勇本人に言ったことがある。

今思えば、本人に言ったところでどうにかなるわけはない。バカなことを言ったな、と思う。

そしたらアイツ、何てったと思う?

「ありがとう。」

だってよ。しかも満面の笑み付き。

不覚にもドキッとした。

だが、そのあと続いた言葉にげんなりした。

「君、えっと、瑛利くんは僕と友達になってくれるんだね?」

再度言うが、俺は藤原勇に対して知らんぷりを決め込む気でいた。

なぜなら、面倒事とかかわり合いになりたくなかったからだ。

つまり、何が言いたいかと言うと...

友達なんてもってのほかだっていうことだ。



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あきゅろす。
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