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塔矢瑛利。12歳。
自分でもそこそこ悪くない容姿をしていると思う。

そんな俺が今日から通うことになったのは、バリバリの坊っちゃん校。

まあ、自分家の事情を考えれば妥当だと思う。

俺の家は代々医者をしている。自分家のでっかい病院で。

でっかいと言っても、全国で2、3番目くらいだ。

1番であれば自慢することも可能だが、こうも微妙だと自慢する気も起きない。
それはさておき、いまは入学式の途中だった。
ここ、『聖華学園』の...


「続いては、新入生代表・藤原勇(フジワラ イサミ)君より挨拶があります。」

周囲が騒つく。

当然だろう。
世界にも通用する全国1の大企業であり、この学園を経営しているのが藤原家なのだ。

興味を持たないやつなんているはずがない。

舞台に上がって来たのは、いかにも元気そうな普通の少年だった。
とてもカワイイ顔をしている以外は...

そう、普通の少年だったのだ。お金とは無縁そうな...

時々笑顔を交えながら、この学園に入学できた喜びを語っている。

「新入生代表・藤原勇。」と括り、少年が舞台を下り終わるまで、俺は挨拶が終わったことに気が付かなかった。

その少年はあまりに普通すぎて、この学園には不似合いな気がしたのだ。

ここは坊っちゃん校なのだ。

金持ち(悪魔)の巣窟。

その言葉がピッタリな...

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あきゅろす。
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