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広い世界の夢物語


意識の戻らない男性の看病を続けていた時、マルロスが不意に外から聞こえる声に気付いた。
銃声を聞き付けて来たらしい、2人の男の大きな声には聞き覚えがあった。

「この声……さっきの?」

「どした?」

「ルフィ、さっきのおサルさん達が来たみたいだ」

マルロスがそう言うのとほぼ同時に、扉を乱暴に開け放って怒鳴り込んできたのは、やはりマシラとショウジョウで。
お互いにキョトンとした顔で、しばし見つめ合う。
もっとも、ウソップとナミに、チョッパーは驚き叫んだが。
マシラとショウジョウが、丁度目の前を横切ろうとしていたルフィに、おやっさんに何かしたのかと怒鳴り付ける。
だが、ルフィは冷静におっさんの看病してんだからどっか行けよ、とあしらう。
ウソップは、話を聞いてくれるような相手じゃないと、ナミとチョッパーに窓から避難せよと叫ぶ。
しかし、ウソップの心配は杞憂に終わる。
いい〜奴らだな、と涙さえ流すマシラとショウジョウに、ウソップ達はガシャアンと壁際の家具に突っ込む。
それを横目に、マルロスが提案する。

「大人数で看病しなくても大丈夫でしょう?そちらはこの方とお知り合いのようですから、事情の説明をしてあげた方がいいのでは?」

「それもそうだな」

「話すんなら外に出るぞ、家の中じゃ狭すぎる」

頷いたルフィに、ゾロがそう言い真っ先に外に出ていく。
その後にルフィが続き、ウソップも恐々と着いていく。
マルロスは中に残り、洗面器に張った水でぬるくなったタオルを冷やし、まだ意識の戻らない男の額に乗せる。
外からは、うち解けたらしいルフィとマシラ達の賑やかな声が聞こえる。


 

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あきゅろす。
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