広い世界の夢物語 2 「……バカバカしい!!私達はそんなゲームの申し入れ、絶対に受けないわ!!」 ナミが思わず怒鳴ると、フォクシー海賊団の方からそれは一船員の決めていいことじゃない、と返される。 船長が合意すれば、泣けどわめけどクルーは全員参加者となるのが決まりだ、と。 「―――その通りだ、ナミさん……これは海賊の世界では暗黙のルール……!!逃げ出せば、この世界で大恥をかく事になるぜ!!」 「いいじゃない、恥かくくらい!!」 「生き恥をさらすくらいなら、死ぬ方がいい」 「右に同じ」 ナミの訴えも虚しく、ゾロとサンジは既にやる気だ。 ロビンもやる気なのか、止める気配がない。 仕方なく、ナミが何とかルフィを止めようと走り出した時、2発の銃声が聞こえた。 それは、互いの船の船長がゲームに合意した、と言う合図。 「ゲームを受諾した〜〜〜ァ!!」 頭を抱えたナミに対し、ゾロとサンジとロビンは不敵な笑みを浮かべる。 マルロスは、何処か浮かない表情だ。 「心配すんなマルロス、負けやしねェよ」 「サンジ……うん」 マルロスの左手をぎゅ、と握って笑うサンジに、マルロスも小さく笑みを返す。 フォクシー海賊団の船からは、続々と人が降りてくる。 出店やステージを設営していると、ルフィ達が戻ってきた。 落ち込むナミは、へらへらと笑っているルフィに怒鳴る気力もないらしい。 敗戦における3か条を2人の船長が誓い、オーソドックスルールによる"3コインゲーム"を海底のデービー・ジョーンズに報告し、ついに開戦となる。 「おい!!オーソドックスルールはわかるな!?おめェら。出場者は3ゲームで7人以下!!一人につき出場は1回まで、一度決めた出場者に変更はなしだ!!」 「わかってる、あっち行ってろ!!」 ルールを説明したフォクシー海賊団の一人をあしらい、サンジは振り返って口を開く。 「マルロスは出場するなよ」 「え?」 「その手でゲームなんかさせられるかよ」 「あ!!そうだぞ、マルロス!!まだ治ってないんだからドクターストップだ!!」 サンジがマルロスの右手を指差し、チョッパーからもドクターストップをかけられたマルロスは、困惑したように皆の顔を見回す。 ルフィ、ゾロ、サンジ、ロビン辺りは心配要らないだろうが、ウソップやナミ辺りの出場には不安がある。 [*前へ][次へ#] |