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広い世界の夢物語
デービーバックファイト

その言葉に、マルロスはきょとんとした表情を浮かべる。
海賊同士の戦いは経験したが、"決闘"とはどう言う意味だろうかと、疑問ばかりが浮かんでくる。
それはナミも同じだった。
そして、フォクシー海賊団の方からその意味が説明される。
"決闘"とは、「デービーバックファイト」のことだ、と。

「「デービーバックファイト」?」

「そうだ、その戦いの火蓋は高いの船の船長同士の合意の瞬間切って落とされる」

今、フォクシー海賊団の船長がルフィにその戦いを申し入れている、と続いた説明にゾロがケンカなら買うと答えると、サンジがデービーバックファイトを知らないのかと口を挟む。

「「デービーバックファイト」は海賊のゲームだ」

「ゲーム、ですか?」

「――――そうよ。エルフさんは知らなくて当然ね。海のどこかにあるという海賊達の楽園、「海賊島」でその昔生まれたというゲーム……より優れた舟乗りを手に入れる為、海賊が海賊を奪い合ったというわ」

要するに、デービーバックファイトとは"人取り合戦"のことらしく、フォクシー海賊団は3本勝負に挑むと怒鳴る。

「1勝負ごとに勝者は相手の船から好きな船員を貰い受ける事ができる!!」

「貰われた船員は、速やかに敵の船長の忠実な部下となる!!」

「深海の海賊、"デービー・ジョーンズ"に誓ってな!!」

「………!?負けたら……仲間を取られるの!?」

欲しい船員がいなければ、海賊旗のシンボルを奪えると言うそのゲームの説明に驚くナミに、サンジが煙草の紫煙を吐きながら言う。

「―――賭ける獲物は"仲間"と"誇り"。勝てば戦力は強化されるが……負けて失うものはでかい……エゲつないゲームさ……!!」

思わず顔をしかめたマルロスに気付いて、サンジは安心させるように手を繋ぐ。
と、ナミが不意に気付いた。
海で行き合った、いろんなものが奪われたあの船を。
するとやはり、あの船もフォクシー海賊団とゲームを行い、負けたらしい。
あの船の元船長達が、堂々と今は敵船に居ることにマルロスは複雑な顔をする。
それがルールなんだと判っていても、気分がいいものではなかった。


 

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あきゅろす。
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