広い世界の夢物語 ロングリングロングランド 少し経って海岸が見えたところで、ルフィからイカリを下ろす準備を伝える号令が飛ぶ。 「うわっ……!!おい、みんな聞いてくれ」 「チョッパー!ウソップが「島に入ってはいけない病」だ」 「!!ウッ…………!!」 「それは治せねェ」 そんないつものやり取りをしているうちに、霧を抜けて海岸線に船が着く。 「何もね〜〜〜っ!!」 メリー号の前には、見渡す限りの大草原が広がっていた。 接岸したメリー号から、ルフィを筆頭にお子様3名が真っ先に草原に飛び降り、ナミに怒鳴られている。 「―――――もー、あいつらは……得体の知れない土地にずかずかと」 「これだけ見えすいてりゃ危険も何もねェだろ」 碇を下ろしたゾロの言葉に、ナミ達も上陸する。 それにしても、見事なまでの大草原だ。 所々に背の高い木があるぐらいで、人が住んでいるのかすら判らない。 船から降りたマルロスは、そんな島を遠くまで見通して人の姿が見えないことを伝えると、何処かへ行ったルフィ達を追い掛けようとした。 しかし、不意にマルロスの鋭い耳に波を掻き分ける船の音が聞こえた。 霧の向こうに振り向いた直後、突如として現れた大きな船から手のような形のアンカーが打ち込まれ、接岸して停泊していたメリー号の前後を塞がれる。 緊迫した空気を引き裂くようにゾロが、やるんならさっさと出て来いと怒鳴り付けると、船から意外な言葉が返ってきた。 「我々は"フォクシー海賊団"、早まるな。我らの望みは……"決闘"だ!!」 [*前へ][次へ#] |