広い世界の夢物語 5 「―――で?お前らは何なんだよ……!!」 王冠を被って顔に変な模様がある男と、水色の長い髪を束ねた女の2人組を取り囲む。 何者なのか、口を開こうとしない2人組を警戒しているのはルフィとサンジ以外で、ルフィはよく判っていない様子だ。 「私の目が黒いうちは、ラブーンには指一本触れさせんぞ!!」 「誰だ、あのおっさん」 さっき、ルフィ達が何故か飛び出してきた扉の向こうから、クロッカスが声を張り上げる。 それは麦わらの一味ではなく、甲板に座り込む変な2人組に向けられた言葉のようで、それを聞いた2人組が不意に立ち上がる。 「フフフ………」 「ホゥ……だが我々はもう鯨の腹の中、この胃袋に風穴を開けることだってできるぞ!!」 そう怒鳴って、2人は持っていたバズーカを構えて撃つ。 突然のことに、クルーは呆然と見遣る。 「もう我々の捕鯨の邪魔はさせん!!」 放たれた弾が、胃壁に描かれた空を目指す。 と、それを防ぐように、クロッカスが走り出す。 「ゴロツキが……!!」 「え……っ!?」 クロッカスは足場から飛んだ瞬間、マルロスは驚いて息を呑んだ。 胃壁に向かって飛んでいく砲弾2発を、クロッカスはその身体で庇うように受け止める。 [*前へ][次へ#] |