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広い世界の夢物語


店を出たナミが気付いたが、2軒隣の店は楽器屋だ。
丁度良いと、2人並んでウィンドーを覗いてみれば、様々な楽器が並んでいる。

「どんな笛が良いの?」

「えっと……あ、あそこにある銀の横笛、以前使っていた物と同じですね」

「ふぅん、フルートとはまた違うのね、値段も高くないし……あれで良いの?」

頷いたマルロスに、ナミは抱えていた服を一度地面に置いて、マルロスを待たせて店内に入って声を掛ける。
しばらくして、ナミが柔らかい布張りのケースを持って出てきて、それをマルロスの紙袋にしまう。
ついでに、オマケだとサービスされた手入れ用の道具も一緒にしまう。

「ん?」

「あれ?」

マルロスとナミの声が重なり、2人揃って空を見上げる。
空気が変わったことを、2人とも肌で感じ取ったのだ。

「空気が変わった………」

「えぇ……一雨来そうですね、船に戻りますか?」

「……そうね、もうちょっとブラブラしたかったけど……あ、ビニール貰ってくるからちょっと待ってて」

巨大な紙袋で包んだだけの服が濡れないよう、ナミは先程服を買った店に戻っていく。
それを待つ間、マルロスは空を見上げて他のクルーのことを考える。
ナミは気付いたが、他のクルーは一雨来ることに気付いているのだろうか、と少し心配になってくる。

「お待たせっ」

でっかいビニールで紙袋を覆って、持ち運びやすいように背負ったナミが店を出てきて、気圧計を片手に歩き出す。


 

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あきゅろす。
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