広い世界の夢物語 6 店を出たナミが気付いたが、2軒隣の店は楽器屋だ。 丁度良いと、2人並んでウィンドーを覗いてみれば、様々な楽器が並んでいる。 「どんな笛が良いの?」 「えっと……あ、あそこにある銀の横笛、以前使っていた物と同じですね」 「ふぅん、フルートとはまた違うのね、値段も高くないし……あれで良いの?」 頷いたマルロスに、ナミは抱えていた服を一度地面に置いて、マルロスを待たせて店内に入って声を掛ける。 しばらくして、ナミが柔らかい布張りのケースを持って出てきて、それをマルロスの紙袋にしまう。 ついでに、オマケだとサービスされた手入れ用の道具も一緒にしまう。 「ん?」 「あれ?」 マルロスとナミの声が重なり、2人揃って空を見上げる。 空気が変わったことを、2人とも肌で感じ取ったのだ。 「空気が変わった………」 「えぇ……一雨来そうですね、船に戻りますか?」 「……そうね、もうちょっとブラブラしたかったけど……あ、ビニール貰ってくるからちょっと待ってて」 巨大な紙袋で包んだだけの服が濡れないよう、ナミは先程服を買った店に戻っていく。 それを待つ間、マルロスは空を見上げて他のクルーのことを考える。 ナミは気付いたが、他のクルーは一雨来ることに気付いているのだろうか、と少し心配になってくる。 「お待たせっ」 でっかいビニールで紙袋を覆って、持ち運びやすいように背負ったナミが店を出てきて、気圧計を片手に歩き出す。 [*前へ][次へ#] |