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広い世界の夢物語


ルフィの看病のために、なかなか寝ようとしないビビを説き伏せて交代したマルロスは、静かにルフィのベッドの傍らの椅子に腰掛ける。
気持ちよく眠ってはいるが、傷と毒の影響か酷い熱を出しているルフィに、マルロスは心配げな表情を浮かべる。
額のタオルを取り、冷たい水に浸しつきつく絞ってまた汗ばんだ額に乗せ、別の乾いたタオルで汗を拭う。
容態は安定しているから、特に心配は要らないとチョッパーは言うけど、いつも元気なルフィがこうでは心配にもなる。
よく眠るルフィの寝顔を見つめながら、マルロスは軽い溜め息をそっと吐き出す。
月明かりの射し込む部屋には、クルー達のイビキが響く。
煩いとさえ思える程だが、マルロスにはひどく落ち着く音だった。
昔は、自然の奏でる音しかない夜が当たり前だったのに、いつの間にかこれが当たり前になっていた。
そんなことを考えて、マルロスは小さく笑う。
そして、腰掛けていた椅子を窓辺に静かに動かして、月明かりを見上げる。

「………………〜♪」

小さく、囁くように歌を歌い始めたマルロスの澄んだ歌声は、静かに部屋に響く。
月明かりをスポットライトに、マルロスは静かに歌を歌う。





 

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