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広い世界の夢物語


少ししっとりとした髪は、べたつかずに指通りはサラサラとしたままで、手櫛で髪を整えられる。

「ちょっと甘い匂いだな。でも優しい匂いだから、マルロスに似合ってるぞ」

首筋に鼻を寄せたチョッパーの言葉に、見ていたウソップもマルロスの髪を一房手に取り、その香りを褒める。
少し離れていたサンジも、気になったのか側に寄ってくる。
煙草を灰皿に押し付け、ウソップと同じように短くなったマルロスの髪を一房手に取り、鼻先に近付ける。

「確かに、マジでいい匂いだな……マルロスに似合ってる」

「ありがとう」

ふわりと微笑んだマルロスに、サンジは微かに頬を赤らめて髪を離す。
ビビに香油を馴染ませてもらったナミも、その香りと髪の具合に満足げに笑っている。

「出航までに手に入れておきたいわね」

「そうですね。やっぱり香油があった方が、潮風から髪が傷むのを防げますし」

「でも手に入るか?復興作業が始まったところだし、店がやってないんじゃないか?」

首を傾げるウソップに、ビビが必要なら売ってくれるはずだと話し、復興作業中でもそれなりに買い物は出来るという。
それなら、明日か明後日には装備の買い出しに行こうかな、とウソップは呟く。
その頃には、ルフィも目を覚ましているだろう。



 

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