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広い世界の夢物語


川岸に停泊するメリー号の傍らに、サンジとゾロが仕留めてきた獲物が並べられる。
サイとトカゲと2人は言うが、どちらも立派な恐竜だ。
俺の方がでかい、と頑として譲らないサンジとゾロだったが、ナミの必要な分だけ切り出せと言う言葉で争いは終結する。
ゾロは勝ち負けにこだわっていたが、他のクルーの誰も興味がないことに、仕方なく勝負の判定を諦める。
保存出来るギリギリの量を船に積み込み、川を真っ直ぐに島の西側へと向かう。
海が見えたところで、河口の両岸に並んで立っているドリーとブロギーの背中を見つけ、ふとマルロスはその気迫に眉を寄せた。
とても見送りに来ただけとは思えない、それ程の張り詰めた気迫。
彼らが言うには、この島に来た人間達が次の島へ辿り着けぬ最大の理由が、この先にあるらしい。
彼らの言う意味が判らない麦わらの一味は、大きな彼らをただ見上げる。

「我らを信じてまっすぐ進め!!たとえ何が起ころうとも、まっすぐにだ!!」

「………………わかった!!まっすぐ進むっ!!」

きっぱりとルフィが頷き、船は川から海へ出る。
彼らの言う通り、真っ直ぐに。

「見て!!前っ!!!」

ナミの言葉と同時に、突然、船の前方で海面が上がり始めた。
海面から顔を出したそれに、慌てるクルーの中でマルロスは、ドリーとブロギーの声を遠くに聞いた。
"島食い"と呼ばれる怪物金魚、これが次の島へ行く船を食べてしまうから、誰もこの島から出られないのだろう。
バクン、と金魚の口が閉じて、メリー号を閉じ込める。
それでも、ドリーとブロギーの言う通りに真っ直ぐに進む船の後方から、ビリビリと衝撃が伝わってくる。
そう感じた瞬間、衝撃波が怪物金魚の腹を貫き、丸く貫通した穴からメリー号が飛び出す。

「覇国っ!!!」

巨人達の笑い声が轟く。
その笑い声に見送られ、船は一路アラバスタを目指す。





―――――はずだった。






 

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あきゅろす。
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