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広い世界の夢物語


「ウオオオオオオオオオン!!」

巨人、赤鬼のブロギーが豪快に泣く。
その声の大きさに誰もが耳を塞ぎ、滝のように落ちてくる涙の飛沫に濡れる。
バロックワークスの卑劣な罠にかかり、決闘を邪魔され、親友を斬ってしまったブロギー。
気持ちは判らなくもないが、これはさすがに、とマルロスも苦笑いを浮かべて耳を塞ぐ。
と、その時だった。
倒れていたもう一人の巨人、ブロギーの親友で決闘の相手だった青鬼のドリーが起き上がる。
気絶していた、と言うドリーの様子からすると、致命傷ではなかったらしい。
その理由は、おそらく武器のせいだろうと彼は言う。
100年間戦い続けた武器も、もう寿命なのだろう。
だからこそ、命を奪うほどの傷にはならなかった、途方もなく豪快な奇跡。
もっとも、100年もの長い時間を戦い続けた武器が今も尚、原型を留めていることも奇跡だ。
互いに笑い合う巨人達を見上げながら、マルロスはふと親友のことを思い出す。
彼らと剣の手合わせをして、そうして互いに競うように腕を磨いたあの日々を、懐かしい彼らの笑顔を思い出す。
それと同時に、先程の炎がマルロスの脳裏を一瞬過り、ぶるりと身体が震えた。




場所を変え、巨人達の怪我の手当てを済ませてから、改めてブロギーが助けられた何か礼をしたいと言う。
だけどビビは、バロックワークスがこの島に来たのは自分のせいだと言いかけて、その頬をナミにつねられる。
誰もあんたを恨んでない、そう言って手を離したナミにビビもぎこちなく頷き、せんべいパーティを始めたルフィ達を見つめる。


 

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