麗諒戦闇 赤い髪と銀色の瞳 背の高いその人物は鮮やかな赤い髪をしていた。 しかし瞳は金色。 あの人は瞳が銀色だったはずだ… そう…昔、母さんが殺されかけた時に助けてくれたあの人。 組織での名前は“クロウ”だった。 意識が戻った後、俺は礼を言おうと思って母さんに助けてくれた子供の事を尋ねた。 するとびっくりした事にソイツは組織のNo.1だった。 俺や俺の姉の華蓮と1、2歳しか変わらないだろう子供がNo.1… きっとそれなりに何かあったのだろう。 その度に苦労と努力を積み重ねてついにNo.1になったんだと思う。 何故か俺はその人物が気になった。 だから礼を言いに行くついでに少し話をしようと思ったんだ。 ××××× 俺はクロウの部屋を母さんに教えてもらい、訪ねた。 …コンコン。 「誰だ?」 「あ…えっと…昨日助けてもらったんだけど…」 少しするとガチャッという音がして中からクロウが出てきた。 「どうした?何かあったのか?」 「いや…昨日のお礼言おうと思ってさ。 …ありがとな。」 お礼を言って頭を下げると微かに頭の上で笑い声が聞こえた。 「…何笑ってんだよ…」 「いや別に…お前面白いな。」 少ししたら笑いが止まったのか、笑い声は聞こえなくなった。 [*←][→#] [戻る] |