翼をください。
ハジマリとオワリ
――翌日
僕らは学校に行かず、彼女が言っていたバイトの説明会の場所へと向かっていた。
電車を乗り継ぎ 駅を出て5分くらい歩いた所に、それはあった。
「ここ、か。」
「…うん。」
顔を上げるとそこには、普通の小汚ないビルが建っていた。
二階の窓を見ると、“ツバサ事務局”と なんともヘンテコな名前が書かれている。
「…行こうか。」
「…うん。」
何となく、僕は元気のない彼女の背中をバシッと叩いた。
それに驚いた彼女は目を見開きながら僕を見た。
「…きっと、また翼が好きって言えるようになるよ。」
それは遠回しに きっと治るって事を言いたかった。
彼女は少ししてからその意味に気付いたようだ。
「あはは!マーくんってほんと素直じゃないなぁ…ありがと。」
そう言って笑う彼女に、僕も微笑みかえした。
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