翼をください。
ハジマリとオワリ
帰り道、僕は彼女の家を目指し歩いていた。
途中に何度も深呼吸をした。
彼女の家の前につくと、鞄を開けて中に入っているプレゼントを確かめる。
よし、行こう。
そう思ってインターホンを鳴らした。
―――…ピンポーン
「はーい」
中からおばさんの声が聞こえた。
ガチャッと扉が開かれると にこやかな表情をした優希の母が出てきた。
「おばさん、こんにちわ。」
「あら、こんにちわ。優希に会いに来てくれたのねぇ!ありがとう。」
「いえ…そんな。」
おばさんは「さぁあがって」と言って僕を家の中へ招き入れた。
階段を上がった左側に優希の部屋がある。
僕はもう一度深呼吸をしてドアを叩いた。
コンッコンッ
ガサガサと音をたてた後、ドアが開かれた。
「!マーくん!!」
思ったより元気そうで少し安心した。
「…っと、大丈夫?」
「うん!熱は下がったよ。ありがとう」
そう言って笑った彼女の顔は、どこか寂しげだった。
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