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翼をください。
ハジマリとオワリ


――月曜日


学校に優希は来ていなかった。



「…ハァ」

「おう!優希ちゃんと何かあったのか?」



ため息をついていると、僕の親友の中川朔夜ーナカガワ サクヤーが声をかけてきた。



「いや…何かあったって訳じゃないけど…。」


「ふーん。ま、何があったか知らねーが、しっかり優希ちゃん守ってやれよ!お前は彼氏なんだから!!」


朔夜はそう言っていたずらっ子のようにニカッと笑う。


「うん…ありがと。」

「…お前が素直にお礼言うなんて…こりゃ槍でも降ってくっかな」



「僕はいつも素直だよ。」



僕がそう言うと、二人で笑い合った。

朔夜は元気のない僕を元気づけに来てくれたようだ。


…ありがとな。



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