小説
夢、到来! 12
「みんな…」
中島がそう呟く。
その声がまるで聞こえたかのようなタイミングで、優助が俺らの方を向く。
そしてムギスケが、薄井が、細井が、雪印ふふんふんが…。
みんながこっちを向いた。
「中島さん……っ、中島さん!!」
みんなが中島の周りへ走り寄ってくる。
「すいませんでした!俺ら…甘ったれてました。」
「「「「すいませんでした!!」」」」
子供達は帽子をとって頭を下げる。
「みんなぁ、顔をあげて。俺もみんなに謝らなきゃなぁ…ごめんねぇ?」
「な…何故中島さんが謝るのですか?」
「俺が一番馬鹿野郎だったんだぁ。みんなの心をまとめなきゃいけない筈なのにぃ…逆に離れさせて…しかも俺がみんなから逃げたんだぁ。ごめんなぁ…。」
「そんなことないのですわよぉ!先生が居なかったら…こんなに練習してなかったわん!!」
「そうです。みんなクソみたいに下手だけど…こんな一生懸命になれたのは初めて。中島さんがいたからだ。」
「中島さん…また俺らに野球、教えて下さい!」
「みんな…っ、…俺の練習はキツイよぉ?だって俺不完全な監督だからさぁ。それでも俺に教わりたいっていうんならぁ……みんなも俺にぃ、力を貸してくれ!!」
「「「「「はいッ!!!!」」」」」
『…ぐすっ。』
「って、えぇえええええ!!!?なんでお前が泣いてんだよぉ磯野ー!?;」
『ばっきゃろ…暑くて…熱くて…汗が吹き出してきたんだよばっきゃろがっ!!もぉー、なんかもぉー…マジ頑張ってください!!!!』
「あ、ありがとう;」
お前らみんな大好きだ馬鹿野郎!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!