小説
マドンナの狂怖! 13
―――結局昨日はゴリ子を破滅出来なかった…
そして今日も中島はこない…。
『…はぁ。』
ゴリ子は相変わらず怪しい空気をまとい、ぶつぶつと何か呟いている。
…はっ!
みんなが…俺に期待を持った目で見ている…!?;
でも魔王と思われている俺は偽物で、実はゴリ子が本物で……ってワケわかんなくなってきたぞ!!;
そんな俺の元へ神がやってくる。
「…磯野、私が手伝う。だから…探して?本。」
『!…神?』
「ほら、がんばれ…よ!!」
バチーン!!!!
そう言って神は俺の背中を思い切り叩いた。
『いってぇ…容赦ねぇなアイツ…。』
俺はさすろうにさすれない自分の背中の痛みに顔を歪めていると。
パシンッ
また痛そうな音が聞こえてきた。
今度は誰が餌食に…?
音のした方へ顔をむけると…
平手打ちをしたのか、神と、左頬をおさえるゴリ子の姿。
『な…まさかアイツ…!;』
さっきまでざわついていた教室が、一気に静まり帰る。
「ねぇ、いつまで甘えてんの?」
「…。」
「そんなに大事な本なら自分で死ぬほど探しなよ。何?他人任せなの?」
…神…。
こえぇよぉー!;
ぶっちゃけゴリ子より怖ぇだろ!!
「大体さ、大事なら何で学校に置いて帰ってたの?自業自得のくせして人のせいにすんのやめれば。」
「…せに。」
……?
「何も知らないくせに!!」
「知らないよ。だって何も話してくれないんだから。エスパーで人の心分かる訳じゃないんだから、言ってくれなきゃ分かるわけない。」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ!!!!」
いつの間にかゴリ子の目から涙が溢れている。
周りからしたら神が悪者に見えるかもしれないが…神の言ってる事はもっともだ。
だからこそゴリ子も涙を流しているんだと思う。
神…。
お前は自分を悪役にしてまでも、役目を果たしゴリ子の心を揺らした。
次は…次こそは、俺の番だな!!!!
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