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小説
マドンナの狂怖! 12


「…ウホッ。その赤い竜が最後…どうなるか知ってるかしら?」


『え、いや…知らないな。どうなるんだ?』


「…だからアナタはエセサタンなのよ。」



ん、どういう事だ…?


「ウホホ!残念だわ磯野くん。アナタがその程度のサタン意識なんてね!!」


サ…サタン意識てなんだ!?;

俺は思わず目を丸くしてしまう。


「…本物のサタンはね……私よ。ウホッウホホ!」


………………………………な、何だってぇええぇぇえええええええ!!!?;

ゴリ子が?
いや、待て。魔王の座をこんなにも簡単に受け渡していいというのか!?;


「アナタは間違っているわ…ウホッ。アナタの中では、私は十本の角と七つの頭を持つ獣で、竜が獣に自分の力と大きな権威を与えなければならないと思ってるみたいだけど…勘違いもはなはだしいわ!!」


な、何だって!?;
それはつまり…俺は元から魔王の位置にはいなかったと、そう言いたいのか…?


「そう。アナタはサタンではない!まして力と権威を与えられた獣でもないわ」


ズドーーーン!!!!

がはっ…この俺が、否定された…だと?


「ウホッウホホ!本物のサタンは、私なのよ、わ・た・し♪」


それは、つまり…ゴリ子が本来の魔王であって、俺は……偽物!?
いやでも魔王ってのは俺の中でのただのキャラ付け…あ、いや。


『おい、結局サタンは最後…どうなるんだ?』


ゴリ子は暫く沈黙した後、座っていた椅子から立ち上がり出口に向かった


『おい…ゴリ子?』


「サタンは…サタンは……。」


……?

何故かゴリ子は言いよどむ。


「…神の計画によって…千年、底なしの深淵で鎖につながれるの」


…え?
そんな結末なのに、ゴリ子は自分をサタンと言うのか?

俺の表情を読み取ったのか、ゴリ子は続けて言った。


「ウホッ。またもや勘違いしないでよね?このお話には続きがあるんだから!」


続き…?

『どんな…結末が?』


「…ウホホ、教えない教えなぁい」


ゴリ子はそう言って図書室から出ていってしまった。



…あ、破滅させるためにゴリ子の興味のある話にもってったハズなのに…


ただ話聞くだけで終わっちまったぁああああああ!!!!;



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