小説
マドンナの狂怖! 6
―――… 結局、ゴリ子は教室に一人で戻っていた
特にゴリ子は誰と話す訳でもなく、放課後になるとすぐ帰ってしまった。
『このクラスに僧侶の方は居ませんかー!?呪われた中島を助けてやって下さい!』
「いたら凄いけどなぁ;」
「あ、私…」
ふと手を上げたのは神だった。
『まっ、まさか神お前…』
「うん、僧侶。になる予定。」
『ボソッと曖昧なこと言うな!;』
「それにしても…ゴリ子さんの本、見当たりませんね…。」
ゴリ子の本…。
探すといったって、俺たちは中身を知らない。
パッと見は、本屋さんがつけてくれる茶色のカバーをつけていたが…それ以外の情報は何もない。
ヘタしたらゴリ子のだというのも分からないかもしれないぞ;
『はぁ…。ゴリ子、何であんなに怒ってたんだろな』
「んー…俺にもよく分からないけどぉ……よっぽど“大事”だったのかぁ…」
「それともよっぽど見られたくない“内容”なのかね。ぷすす」
神がちょっと馬鹿にしたように笑うと、メガネからお叱りを受けていた。
…とりあえず、ゴリ子の本を持っている人はいないようだ。
そしてこの教室にもそれらしきものはない
『出でよ!ゴリ子の大事な大事な本よぉおぉぉおおおお!!!!』
「うるさいですよ磯野くん。」
「てか教室にはないみたいなので…私帰るわ。」
なっ…神ー!!!;
そんな事言うとまたメガネ様のお怒りに…
「…冷たいんですね神さん。帰りたければ帰ってください、邪魔なだけなので。」
ああっ;
メガネはメガネで何で喧嘩口調になっちゃうんだよー!!;
まぁそんな言われかたしたんじゃ普通は帰れな…
「じゃ帰るわ。」
帰ったー!!!?;
しかもマジで荷物持って帰ってるし!?
神がいなくなった教室からは、口々に神への悪口が飛び交う。
ひぃぃ!;
『…神って…あんな冷たい子だったかしら?』
「え…う、うーん…そんなことはぁ!………………………………ないよぉ!!」
今の間はなんぞや!?
「きっと用事があったんだよぉ」
『…だといいな。』
それから俺らは、また学校中を探してみたが、ゴリ子の本らしきものは見つからなかった…―――
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