小説
マドンナの狂怖! 1
あれはそう…普段と変わらない天気の良い日の事だった。
俺と中島はいつも通り学校へ向かい、いつも通りバカな話をしながら来ていた
教室へ入ると…何やらいつもと空気が違うのだ
スマイル以外のみんなは何故か真ん中の席へと集まっている。
「みんなどうしたのぉ?」
中島のその声に気づき、何人かがこちらを向くが…その表情は、どことなく元気がない。
その時だった…
「きゃー!!!!」
!?
誰かの悲鳴が教室中に響く。
その声の主は、みんなの中心に座っていた…ゴリ子だった
『なっ、ゴ、ゴリ子!?どうした!!;』
俺らは急いでゴリ子のもとへ駆け寄った
ゴリ子の顔は真っ青で、何も言葉が出て来なかった
「い…一体何があったのぉ?」
中島の問いかけに、ワンテンポ遅れてメガネが答えた
「あ…と、私もさっき来たのでよく分かりませんが…本がなくなってしまったみたいです」
『本?』
もしかして…いつも読んでいる…あの、本?
でも普通本がなくなったくらいであんな大騒ぎするか…?
「そんなに大事な本だったのかなぁ」
俺にはよく分かんないが、とりあえず慰めてやるか
『ま、元気出せよゴリ子!本なんてまた買えばいいじゃんか、な!!』
下を向いていたゴリ子の肩をポンポンと叩きながらそう言ったら
ゴリ子は素早く顔を上げ、凄まじい形相で俺を睨んだ
「……誰、盗ったの」
『…え?』
「返して!私の本!!誰が盗ったの!?返してゴリ!!」
そうとう動揺してんだな…;
でも、この様子じゃあ誰かが盗ったようには見えない
『きっとどこかに落としたんだよ』
「そんなハズないわ!!」
いつも温和なゴリ子がここまで怖くなるとは……あの本、一体どんな内容なんだろうか…。
「……盗った人には天罰が下るわ…楽しみにしておく事ね。ふふふふふふふふ」
…ゴリ子は、スマイルの方を睨みながらそう言うと、教室から飛び出して行った
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