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小説
神の憂鬱! 19




カキィィン...


カキィン




…これで一体何球目となるのだろう…。

俺も神も、もう息が上がっている



『はぁ…はぁ…くそッ』

「はぁ…つ、次は…私ね…」


フラフラとした足取りで神はホームへと向かう


結果は10球ともストライク。

くっそ鬼中島…!


『うおぉおおおお!!!!打ってやらぁああ!!』



俺の雄叫びにニヤリと笑う中島


「よし!行くぞー!!」

『来い!!!!』


俺は全ての疲れを力へと変えた


神、いま楽にしてやるからな!!!!














…――― それから156球目、俺はやっとホームランを打つことができた


『はぁ…っ!よ…よし!!』


「よくやったな」


中島め…お前の肩は何で壊れないんだ…?
今日だけで何百…いや、何千と投げたよ?


「磯野はもう帰っていいぞ。あとはお前だ。いくぞ!」


…え?
どういうことよ??


俺の横で動く神の姿が目にうつる


『な…んで』

俺はてっきり、どっちか1人がホームランを打てれば二人とも解放されると思ってたから…。


「…そう甘く…ないでしょ。中島くんは…でも…」


神は振り返り、座りこんでいる俺を見た







「遅すぎ。」

『…は?』




神はホームへ立つと、それはもう美しいフォームでバットを構えた



中島がボールを投げた瞬間


「中島くん!磯野!…今日はぁあ!!」




カキィイイイイン..




「ありがとう!!」



大きな孤を描き、広場の外へ落ちていったボール。


まさか神は…俺がホームランを打つのをひたすら待っていた…?


俺も中島も呆気にとられる


「中島くんの豪速球…凄かった」



ぷしゅー、と音がしたかと思うと、そこにはいつもの中島がいた


「か、神ちゃん!君は凄い野球の才能を持っているよきっと!!」




『………。』


俺の頑張りって一体……


あれ、目からサイダーが…。



『神!……おつかれ』

「磯野もね。はぁ…でも予想以上に疲れた…。もう帰るかな。」

『そうだな。』


「神ちゃん!君は野球の女神になるべき存ざ『中島、帰るぞ』




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あきゅろす。
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