小説
神の憂鬱! 17
『ふぅ…美味しかったです!ご馳走さまでした!!』
「なんだかわざわざすみません;でもとっても美味しかったですぅ」
よく見ると、姫さん以外のみんなの口の周りは黒かった。
姫さんめ…自分だけは助かりやがってる…!
消し炭を食べたせいか、神と中島の目が血走っていた
多分俺もだろう…。
『さて、俺らはそろそろ退散して、あとは家族の皆さんで盛り上がってくださいな!!』
「俺ら結局何もできなくてすみませんでしたぁ。ご結婚、本当におめでとうございますぅ!」
『結婚式には呼んでくれちゃっていいすよ☆』
「ハハッ!是非来てくれ!!招待状ちゃんと送らせてもらうよ」
「二人のおかげで、私達は結婚を許して貰えたの…ありがとう」
いや、実際にはスマイルのおかげ…
だが、お礼を言われるのは照れ臭いが悪い気分ではなかった。
「また遊びに来てね。ぐふっ」
『「はい!是非!!」』
――俺らが玄関へ向かうと、みんな見送りに来てくれた
「それじゃ、失礼しますぅ。神ちゃん、また月曜日にね!」
『また今度スマイルの話聞かせてくださいね☆神、またなー!』
そう言って外に出ると、俺は玄関の扉を閉めた
神はしばらく、閉まったばかりの扉を見続けていた …―――
「さて…忘れてないよなぁ磯野?」
『えっ?』
俺は思わず声が裏返ってしまった
「あははっ!野球やろうって約束しただろぉ?」
『あ…あぁ、勿論覚えてるさ…。』
誰か中島から記憶力を奪ってくれ。
「いつもの広場でいいよなぁ?今日は少し時間的に遅いから、とりあえず準備体操終わったら千本ノックをしようか」
時間的に遅いのに千本ノック…
しかもとりあえずってことは他にも何かをやるという事だ
『ああ…全然いいです。あ…で、でも…野球の道具あんの…?』
「俺は常に常備してるに決まってるだろぉ」
そう言うと中島は、鞄から二人分の野球道具一式を取り出した
貴様、某猫型ロボットか!!!!;
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