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小説
神の憂鬱! 16



『逝…いただきます』

「たーんとお食べ☆」


何故姫さんがそんな自信有り気なのかが理解できない…。


俺は意を決して“黒いそれ”を口に運ぶ


『!!こ…これは…!』


口に入れた瞬間に広がるほろ苦さ!

そして噛むとサクッと良い音がする。



しかも、噛めば噛むほど広がる苦み…




『がはぁっ…ごほっごほっ…ゴッホ!』

何だ、ただの消し炭か。




「あ…お口に合わなかったかしら?」

『いえ!美味すぎてやっほげっほっ…です!!』


姫さん…そんな表情で聞かれたら「消し炭ですね分かります」なんて言えるわけないじゃないすか…!!



「ハッハッハッ!僕も姫の作る料理が大好きなんだ!!磯野くん、君にこれの美味さが分かってもらえて嬉しいよ!」

え、本気で言ってる…?
うわ、本気で言ってるよ…。


「王子さんには“美味しい”って言ってもらわなきゃ困るわ!だってこれは私が王子さんを思って、あえて王子さんの好きな色の黒い食材を沢山使った料理にしたんだから!!」


姫さんは照れたように頬を赤くしながらそう言う。


「姫の作る料理は紫でも青でも美味しいさ!ただ、今日のは一段とおいしいぉ☆☆☆」



ははははははは…

紫とか青とか何だよ…絵の具加えてないよな…?






てか…






この消し炭夫婦がぁあああああ!!!!


王子さんの好きな色?

せめて好きな料理にしてくれw

それに黒だったら他にもっと美味いのあんだろーが!
なんで消し炭持ってきたんだこの人!!;






あ、消し炭しか作れないのか…。



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