小説
神の憂鬱! 11
「…まぁ、別に遅刻だけが結婚を許さない理由な訳ではない。君、職業はなんだね?」
神が本当の威厳ある父親に見えてくる。
本当に姫さんの事が好きなんだな…
「まさか不安定な職についているなんてあるまいな?もし姫の婿になりたいというのならば年収1000万は越えてなくては…」
「あ、実は僕、医者なんです。」
「おお…ふぉ…。」
…………
王子さんかっけぇええええ!!!!;
そして黙る神!
一本とってやったりだぜ王子さん☆
「…お父さん、単刀直入に言います…。娘さんを…姫さんを僕にください!」
「お父さんお願い…!私たちの結婚を許して!!」
土下座をして頼みこむ二人。
だが神は目を固く閉じて何も言おうとはしない
『…おい、か「もうやめだ。帰りたまえ」
その言葉に泣き崩れる姫さん。
そして姫さんの肩を優しく抱く王子さん。
神のお母さんはただ静かにその場を眺めているだけで…
室内には、重苦しい空気と、姫さんのすすり泣く声だけが響いていた。
「私は自室に戻る。」
そう言って神はこの部屋の扉に手をかけた
そして部屋から出ようと足を一歩踏み出した時だった…
「待ちなよ神ちゃん」
中島の真剣な声が室内に響く
「神ちゃんは逃げるのぉ?王子さんから、姫さんから、自分の嫌だと思う事から。」
神は振り返りはしないものの、中島のその言葉のお陰か、その場から動くことはしなかった
「神ちゃんは…自分のお姉さんに幸せになってもらいたくないんだぁ?」
「そんなわけはない!私は姫の幸せを願うからこそ…!!」
「思うからこそ、結婚に反対だなんて矛盾してるよぉ。神ちゃんは姫さんが信じられないんだ。だから姫さんの選んだ王子さんをも信じる事ができない。違うぅ?」
明らかに神は動揺していた
「姫さんの幸せを願うなら、姫さんの気持ちを考えてあげなきゃダメだと思うよぉ」
中島ぁああぁぁあああああ!!!!
お前ってやつは…お前ってやつはぁああ!!
俺も黙っちゃいられねぇな…。
ふっ
今日は中島にリードされっぱなしだぜ…
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