小説 徹底冬休み! 11 恋人が手を繋いで歩くイルミネーション街 家では暖かいご馳走 子どもが夢見て眠る夜 そんな中、俺は野球をしていた。 別にやりたくてやっている訳ではない。 やらなくては殺られるからである。 何でクリスマスイブに中島と野球なんだ…? 神様ってのは意地悪だよな……。 ―――カキィイイイイインッ ―――カキィイイイイインッ 俺はやった。冬なのに脱水症になりかけるくらいに頑張った。 なのに何でコイツはまだ帰らせてくれないんだ!?; あれか!!? 俺が嘘ついて誘いを断ったから!? いや確かに悪いなとは思ってたよ、思ってたけどさ! 後々中島ん家でも行ってやるかってちゃんと考えてはいたしさ、何もそこまで厳しくしなくてもいいと思うんだよね俺は。 「……そろそろか」 えっ!?何!!? 必殺技くるの?俺とうとう死ぬの!!!?; 中島はずんずんと俺に向かって歩いてくる。 肩にはバットを担いで…… う……うわぁあああぁぁああああぁぁああああああ!!!! 俺はここで死ぬんだ、もう終わりなんだ!!; さようなら、さようなら!みなさんさようなら!! 中島は俺の肩をポンッと叩いて…言った。 「…メリークリスマス」 そう告げた中島は、颯爽とその場を去っていった。 俺は言葉が出ず、ふと腕時計を確認すれば、時刻は0:00と表示されていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |