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小説
徹底冬休み! 9



え、なんで…とか、どうして…とか色んな思いが交差している。


『あ、ありがとう…』

「いいえ!たまたま磯野さんに渡そうと思っていた本が探している本だったらしくて良かったです!」


すげぇ。ただひたすらにすげぇ。


俺はもっと早くにこの子に会いたかった。




というか、家に来てくれるのを待っていれば俺の足はパンパンにならなくて済んだのに…。



「寂しい磯野さんに、優しいサンタさんからのプレゼントです!」

『ホントありがとう!助かったよ!』

「あ、か、勘違いしないでよね、別に磯野さんのためじゃないんだからねっ」


ちょ、何故ツンデレw


いやとにかく助かった。
しかし貰ったものをおかんに渡すのは心苦しいな。

仕方ないのでおかんには貸してあげることにした。


 


「あ、私そろそろ行かないと…」

腕時計を確認したレイヤちゃんがそう言う。


『待って待って、俺もレイヤちゃんにクリスマスプレゼントあげるよ』


「うーん」と考える素振りを見せた後、おずおずと口を開いた


「じゃあ、飲み物をおごってください」

『え、飲み物!?』


俺は予想だにしなかったプレゼントを要求されて可笑しな声を出してしまった。

なんて遠慮がちな子なんだ…


俺はレイヤちゃんをベンチに座らせて待たせると、飲み物を買いに向かった。


 





『はい、コレ…』

「あ、ありがとうございます!…て、え?」



俺は仕方なくというかたまたま自販機の近くに可愛らしい店があったから、そこでまたもや可愛らしいピン留めを買って、飲み物と一緒に渡した。


『勘違いしないでよね、ただのお返しのプレゼントなだけなんだからね』


「…………」


暫くポカンとしていたレイヤちゃんだが、急に笑いだした。



「あはははは、ありがとうございます!大切にしますね!」


そう言って自身の髪にあげたばかりのピン留めを付けた。



…………まぁ、ウィッグだけどね!


 

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あきゅろす。
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