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小説
金欠病到来! 5



「なっなっなっなんで貴様ら……っ!」


ハッとした顔で神は口元を抑え出し辺りをキョロキョロとする。

そして一呼吸置くと、先程のような“店員の顔”になった。


てっきりいつもの威勢でかかってくると思ったから、俺は何とも言えなくなってしまった。



「お客様方、お料理が冷めてしまう前に召し上がって下さいね!」


いつもの神からは考えられない位の笑顔…。
周りの人からみたら可愛らしいと思うだろうが、俺からすれば悪いことの前兆かと思ってしまうくらいに恐ろしい。



「それではごゆっくりどうぞ!(さっさと帰ってくれ…)」



俺には神の裏の顔が見えてしまっている気がする。



「なぁなぁ磯野ー!」

『な、なんだよ…』

「よく分かんないけどぉ、神ちゃん可愛かったねぇ!」

『…お前、よくそんな恥ずかしげなことすんなりと言えるよな…』



でも嫌味やチャラさを感じさせないのが中島の凄いところだ。

俺が言っていたら赤の他人からも殴られそうだな!





俺たちは取り敢えず目の前に広がるご馳走を温かい内に頂くことにした。


『うん…うまい!!』

「美味しいねぇ!」



黙々と食べている間、俺はさっきの神の様子が頭から離れなかった。


いつもの態度に戻れないのって、バイトをしているからなのか…?

バイトって、そんなにキツイものなのだろうか;


俺は少し怖くなってきたぞ!


ニート脱却セットを頼んだ筈が、逆にニート心を促進させているぞ!






全て食べ終えた俺らは一息をつく。

サービスと言って店員さんが持ってきてくれたコーヒーに砂糖5杯を入れて飲む。


「……砂糖入れすぎじゃないかぁ?」

『あ?普段砂糖なんて摂取しねぇからたまにこういう機会があったら入れとかねぇとバランス取れねぇんだよ』

「でも昨日2リットルのコーラ家から持ってきて、蓋を捨てたからって朝から晩まで飲んでたじゃないかぁ!ワイルドだろぉとか言って…」
『ちょちょ、いいじゃ〜ん!もう忘れよう?ね!ね!』



中島はひとしきり笑うと、2杯の砂糖と少しのミルクしか入れていないコーヒーを飲む。



うわっ。コイツ中ニ病なんじゃないの。
ホントは苦いの我慢して飲んでんじゃね!?

まぁ俺だって?
俺だぁあって飲めますよ!

ていう俺はブラック派よ?



今入っているコーヒーを一気に飲み干すと、俺は店員さんからお代わりをもらった。




もちろん今度は砂糖もミルクも入れない。
というか、俺にとってそれは当たり前な事なのだ。















『かはぁっ!!げほっげほっ!!!!』

「アホだなぁ。」


 

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あきゅろす。
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