小説
休日パラダイス! 13
それから色んな乗り物に乗っていると、だんだんと陽が落ちはじめてきた。
「夕陽が綺麗だねぇ!」
『よし、この夕陽を見ながらコーヒーカップに乗ろうぜ!』
「え、何故。」
『何故って…そういうもんじゃねぇのか?』
「コーヒーカップに乗ったら夕陽なんて見てられないでしょ。」
なんか嫌に神の奴突っ掛かってくんな…。
まさか、な。
『お前…。怖いのか?』
「…っ!」
俺がニヤニヤしながらそう言うと、神は反論出来ずに言葉を詰まらせ、顔を真っ赤にさせていた。
「か、神ちゃん…。君も人間だったんだねぇ!」
「どういう意味?」
『さっ、そうと分かれば早く行くぞ行くぞ☆』
「えっ。」
その場から動きそうにない神の肩を押してコーヒーカップへと向かう。
「ち、ちょっと!自分で歩けるからっ!」
焦る神がいつもと違って面白い。
「神ちゃんが…人間に……。」
まだそこに衝撃を受けているのか中島。
――― 嫌がる神を引き連れてやってきたコーヒーカップ。
ガラガラに空いていて、好きな所を選んで3人座った。
「うわぁ。コーヒーカップなんていつぶりだろぅ!」
『神、そんな不安そうな顔しなくてもいいぞ。おもっきし回してやるからな!!』
「お、鬼…。」
ピーッという笛の音と共に、軽快な音楽が流れる。
そして俺は、ハンドルを思いっきり回した。
―――…
「バカな奴。」
「大丈夫かぁ…?」
『うー…気持ち悪っ。』
俺が回していたにも関わらず、結局俺が酔ってしまった。吐きそう…。
「だからあの時言ったのに。」
『何を?誰が?』
「神ちゃんは以外と平気そうだねぇ!」
「…まぁ、目の前で私より弱った生き物がいるから。」
ちょっと、誰のこと言ってるの君!!?;
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