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小説
正義のヒーロー! 14



「…約束を破るのは嫌だから言っておくけど……僕は暴力をやめる事はできないと思うよ。」

「…どうして?もう約束したじゃない。」

「いや、あれは君が勝手に決めたからね急に…。」

少女はいつもになく悲しい顔をする。何か僕が悪いみたいだな…でも、今更やめるなんて無理だ。

回数が減ってるだけ凄いと思ってほしいね。


「……どうしてボウリョクをしなくちゃいけないの?お兄ちゃん、ボウリョクしてるときの方が楽しくなさそうだよ…?」

「…止まらないんだ…やめられない。」

「かっぱえびせんみたいに?」

「僕の言い方が悪かったよ。」



僕がいくら説明しようと、少女は納得してはくれない。


「お兄ちゃんも約束をやぶるの?」

そう言う少女の頬には、一筋の涙が流れていた。
お兄ちゃん“も”って事は…恐らく、絶交をしている友達も何かしらの約束を守れなかったのだろう。

「いやだよ…お兄ちゃんは、二つの約束をやぶるの?絶交だよ?」

「…………。」


僕は何も答える事ができない。

「っ!お兄ちゃんのバカッ!!嘘つき!!!!」


少女はそう言うと、走り去ってしまった。





それ以来、僕は少女の姿を見る事はなくなった。


 

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