小説
正義のヒーロー! 13
それからというもの、少女はいつも僕に付きまとってきた。
お陰で僕は、喧嘩をする回数が確実に減っていた。喧嘩といっても、少女の前ではもちろん、向こうから手を出してこなければ絶対にしなかった。
喧嘩をかうよりも、少女と駄菓子を買う方が確実に満たされた時間となっていたのが自分の中でも分かっていた。
一つだけ弁解すると、僕は決してこの少女の事が好きになった訳ではない!そう、決してロリコンなどではない!!!!
ただ、こういうのを友達っていうんだなって分かった気がした。年齢は離れてるし性別だって違うけど、確かに僕らの間には友情があった。
「君、いつまで僕に付きまとうのさ。」
「いいじゃん!友達が遊ぶのに理由が必要?」
「友達って…君さ、学校に友達とかいないの?」
「いるけど…。」
遊べない訳でもあるのかな?
ほっぺたをぷっくりと膨らます少女。
「今絶交中だもん!」
…ホンット小学生って感じだな。
「ねぇお兄ちゃん。お兄ちゃんは約束してくれる?」
「…何を?」
「ずーっと友達!」
少女はニッコリ笑って右手の小指を突き出した。僕はくだらないと思いつつ、小指を出した。
一回り違うお互いの小指を絡ませると、少女は言った。
「私たちは一生友達!」
「…うん。」
「あとねあとね〜!」
「…うん?」
おいおい、1つじゃないのかよ…。
「お兄ちゃんは、もうボウリョクをしないでね!」
「…はぁああ!!?」
「ゆーびきーりげーんまーん」
「ちょちょまっ!!?;それは聞いてな…」
「うそついたらはりせんぼんのーますっ」
「それはナシだって、まっ…!!」
「ゆびきった!」
何という約束を…。
さすがにこれは守れないだろうな、うん。
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