小説
正義のヒーロー! 6
「……で、ここは?」
僕は少女に導かれ、昔ながら風のボロい駄菓子屋の前に来ていた。
「駄菓子屋よ。お兄ちゃんは何が好き?」
「……いや、僕は…。」
駄菓子屋って…………やっぱ小学生だな。
中に入ると、思った通りの内装をしていた。でも…少し懐かしいな。
「私ね、コレが好きよ!」
そう言ってコーラ味の水飴を見せつける。
「…食べたいの?」
「もうっ、お兄ちゃんが何が好きか聞いてるの!…私も買うけどさ。」
やっぱ買うのかよ。
「別に僕はお菓子なんてあんま食べないし…。」
「なんで?」
「何でって言われても…。」
一緒に買いに行くような友達がいなかったからね。
そんな事を言えるハズもなく、僕はただ黙った。
「まぁいいわ。じゃあ私のオススメのを買ってあげるね!」
「!!?;」
今…買って“あげる”って言わなかった!?
「ちょ、小学生にたかる程お金に困ってないよ!自分で買うからさ!!;」
「何を言ってるの?これはお兄ちゃんへのお礼よ?」
「いや、でも…。」
「私だってお兄ちゃんにお菓子買ってあげれるくらいのお金はもってるもん!」
「いや…そういう事じゃなくて…………はぁ。もういいや、ありがとう。」
僕がため息混じりにそう言うと、少女はニッコリと笑った。
「いいのよ、これはお礼なんだから!」
駄菓子を買い終えると、少女はまたどこかへ歩き出す。また勝手な…。
「ったく、次はどこに行くんだよ?;」
「私のおきにいりの場所!」
お気に入りの場所…?
公園のブランコとかじゃないだろうな。
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