小説
恋よ来い! 11
「ほら、ご飯できてるから早く食べちゃって!」
どうやら、なかなか起きない俺の起こし方に平手打ちを選んだようだなおかん…。
ふっ…
言っておくが、これくらいで痛がるような俺じゃないぜ!!
だが今日は外が暑そうだし湿布くらいしてってやってもいいだろう仕方がない。
「あら?なんか随分とスッキリしてるわねぇ。良い夢でも見たの?」
……夢?
俺は夢の内容をまったくと言っていい程覚えていない。だが、昨日と違って身も心もスッキリしているのは確かだ。
『よく分かんねーけど…まぁ、悪い夢じゃなかったんじゃん?』
俺はそう言うとニッコリと笑った。
―――…
朝は早くに学校へ行った。
そして図書室に向かうと案の定、昨日俺に告白をしてきたホレ子さんがいた。
『あ…ども。』
「あ!お、おはようございます…!」
俺らは軽く会釈し会った。
暫くの間沈黙が流れる。
…ホレ子さんだって勇気を出したんだ。次は俺の番…だよな。
『あの、ホレ子さん。昨日の事なんだけど…。』
「あ、あの…。」
『やっぱり俺、君の気持ちに応えることは出来ないや。ごめん…なさい。俺はよくホレ子さんの事知らないし、何より、今は友達と騒いでる方が俺には合ってるんだ!だから…ごめんな?』
頭を下げる俺に、優しく声をかける。
「いいのよ磯野くん…頭を上げて?」
俺は言われた通りに頭を上げる。
「いいの、もういいのよ。だって私、彼氏が出来たから☆」
……んん!!!?;
どどどどどどどどどどどどどどどういうことぅをぉおおお!!?;
「だから、私に昨日、彼氏が出来ました!ふふっ」
ふふっ じゃ、ねぇええぇええええぇぇえええええええええ!!!!
「ごめんね☆」
ちくしょぉおおおおおおおおおお!!!!
何だったんだよ俺の悩み様はよぉお!!!!!!
てか昨日って俺に告白したのと同時じゃねぇか!!!!;
そしてホレ子さんは図書室から出て行った。
暫くの間、俺はその場から動けずにいた…。
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