小説
恋よ来い! 3
「ぁ、なっ、なんだ…磯野か。」
『何だとは何だよ!; てかお前も遅刻かぁ?』
「む……うん。寝坊した。」
『まぁお前は遅刻常習犯だもんな!だがしかし!!俺はそうなってはいかんので先に行かせていただく!ジャム悪かったな。じゃ、後でな。』
俺は神に背中を向けると、神が小さな声で何かを言った。
「わ、私も一緒に…」
だがその声があまりに小さすぎて、何て言ったのか俺には分からなかった。
『ん?何か言ったか、神??』
「べっ!別に……なんでも、ない。」
『そうか?じゃ、悪ぃな!』
そう言って俺は学校へ向かって走って行った。
…―――
何とかギリギリ遅刻ではないそうだ。
今日の主将はなんだかにこやかで優しいぞ!
『は〜ぁ、走り疲れた…。』
「磯野くん…大丈夫ですか?」
そう言って心配そうに俺の顔を覗き見たのは、メガネだった。
「良かったらコレ、飲みますか?」
そう言ってメガネは、何処からともなく水筒を取り出し、それを渡してくれた。
『なっ…い、いいのか…?』
「はい。実はそれ、私が作ったんです…磯野くんに……飲んでもらいたくて。」
なっ…!!
そんな顔を赤らめて言うなんて…何か変だ!!!!
でも嬉しいいただきます!!
ごくっ
『ぶばぁあああああああああああああああああっ!!!?;』
俺は口に含むなり吹き出した。
「あ、お…お口に合いませんでしたか?私…一生懸命作ったんですけど…青汁。」
恨み?
いや、実際青汁好きな人も世の中には沢山存在しよう。
だが俺は大の苦手なんだ!!;
てか何故青汁?麦茶とか紅茶じゃなくて青汁?
しかも目をウルウルさせるな!!
『あ…これ……』
「磯野くんのために作ったんですが…お、お口に合いません…よね?すいません、捨てて来ます…っ。」
そう言って水筒を掴むメガネの手を、俺は掴んだ。
『飲む。飲みます!』
「え…?で、でも…///」
『いいから。俺、青汁大好きなんだ!サンキューな!!滅茶苦茶うめーぜ☆』
「磯野くん…//」
アンタには負けたよ…。
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