小説
恋よ来い! 1
恋。それは人生の内に誰もが一度は陥るであろう魔法。
切なさや困難を乗り越えなければ自らの望む答えを得られない…とても怖くて、不安なもの。
理屈では表せない気持ち。
そんな状態に今、俺は……………………
陥りたい。
…―――
「私…磯野君が好き!」
『…へ?』
「私と付き合ってください!!」
二人きりの図書室で、生まれて初めての告白を受けた。
この子は確か…隣のクラスのホレ子さん。
あんまり話した事ないけど…何で俺?
「あ、あのその…っ返事、待ってるから!」
そう言って図書室から走り去るホレ子さん。
スキ…?
ツキアッテ…?
俺は過去に、何人もの女を手玉にとった事がある。ゲームで。
だが、リアルで告白されるなんて…俺は一体…どうすればいいんだぁあああぁぁああああああああああ!!!!;
「断りなよぉ。」
『…え?』
「えっ?て…だって磯野は別にその子の事好きな訳じゃないんだろぉ?それなのに告白OKしたらその子に失礼じゃないかぁ;」
俺の親友の中島はそう言う。凄い冷静な分析だ…コイツ、告白慣れしてそうだな…。
そう思って、俺は思わず中島をジーッと見てしまう。
「な、なんだよぉ?;」
『ああ…い、いや。でもさぁ…断ったら…やっぱ傷付くよな。』
「そんなの当たり前だよぉ。でも、傷付けない振り方なんてないんだよぉ。」
『そう、だよな…。ありがと、今日家でゆっくり考えるわ!じゃあな!!』
「うん、また明日ねぇ!」
――ガチャンッ
家に入ると、より考えてしまう…相手の傷付く様を。
はぁ…何で俺がこんな悩んでんだww
いつもより食事も喉に通らず、おかんに心配された。
ぶっちゃけ…
今日の料理失敗したっしょおかん?
俺ビックリしたわ…おかんのこんな不味い料理は初めてだったよ!!!?;
何が作りたかったのか結局分からない感じだもん…でも神のお姉さんの姫さんよりはまだマシだったぞっ☆
そして俺は自室に行くと、直ぐにベッドに横になった。
もしこの世がゲームの世界なら、きっと自分の望む人とゴールインできるのにな…。
もしこの世が………。
そう考えている内に俺は、いつの間にか深い眠りについていた …―――
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