小説
夢、到来! end
あれから数週間が経った今日。
俺の家に、中島がやって来た。
クッキーを持って。
お見舞いだとか言ってたけど…絶対嫌がらせだな!;
『てかどうしたんだ?いきなり…。』
「うん、聞いてよぉ!こないだねぇ、リトル野球の大会があってさぁ…それにワカメリトルも出てたんだぁ!!」
『何で俺を誘わなかったんだ!?;』
「まぁまぁ!でねぇ!!」
軽っ!!!!;
「県大会出場が決定したんだぁ!ここまで1失点もしてないから全国制覇も夢じゃないよなぁ!!」
そう言う中島は目がとても輝いている。
そして、とても楽しそうだ!
『そっか…ってか県大会出場ってだけでもすげぇな!』
「だよねぇ!!あ、それでね…凄い小さくなんだけど、新聞にも載ったんだよぉ!」
『うわっ、マジで小さいな!ははっ!!でもすげーや!!!!』
しかも県大会優勝候補だとさっ!!
あ、監督も写真に写ってる…これ監督だよな?幽霊じゃないよな…?
「あとさぁ、ここ見てここぉ!」
中島が指差した所に載っていたのは、インタビュー欄だった。
――――
Q.県大会に向けて、今一番感謝の気持ちを伝えたい人は?
A.勿論中島さん!(全員声を合わせていた。)
俺達に野球をやる楽しさと厳しさを教えてくれた人だから!!
Q.ひとまず試合が終わった今、食べたいものは何ですか?
A.(これも全員が声を揃えていた。)クッキー!!
運動後に食べるようなもんじゃ無いけど…これはある人が差し入れにくれてから、俺達は練習後にクッキーを食べるようになったんだ!
Q.ある人とは?
A.中島さんと俺らを繋いでくれた、優しい兄ちゃん!!
以上、ワカメリトルインタビューより。
このワカメリトルは、人に感謝する気持ちというものを忘れずにいるからみんなの気持ちも一体化でき…―――――
結局、俺の事は覚えててくれてたんだな…。
『…はっ、ガキが生意気言いやがって。』
俺はそう言って、中島が持ってきてくれたクッキーを一口食べた。
END
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