小説
中二病見参! 8
※( )内はスマイルの心情
俺は腕組みをしながら一歩 また一歩と…スマイルの机の周りを歩き続ける。
「…」
スマイルは何も言わず目だけをこちらに向けてくる
よしっ!今だぁあぁああぁあ!!!!
『うをっほん!…なぁスマイル、聞いてくれ…。俺、実は魔法使いなんだ』
そう、それは俺がみんなには秘密にしていることだ
とある事情でここへやってきたのだ!
『とある事情でここに連れてこられてな。今は魔法を使えなくさせられてるんだが…』
「…」
(ふっ…だがこの僕も実は秘密がある。それは僕が天界からやってきた天使だということ。ただ、今は修行のため地上にやってきているだけだから この事は誰にも言ってはいけないよ…………って言いたいけど言ったら変に思われるしな…)
『もし俺に魔力が戻ったらお前の前で何か披露してやんよ!何がいい?』
「…」
(だが断る。)
相変わらずスマイルは黙ったまま微動だにしない…
くそっ 俺が魔法使いだと信じてもらえなかった…だと……?
バカな…
俺の極秘情報をこうも簡単に否定するとは……
『ま…まぁ、今度見せてやっから……な?』
「…」
(まぁ楽しみにしている。その時は僕の力も君に見せてあげるよ。楽しみにしててね)
俺は逃げ…寂しがっている中島のもとへ素早く駆けつけてやった
『よう中島!俺が離れていたからって泣くな!!ハッハッハ』
「かっこわるいぞ磯野!」
ふとスマイルの方を見ると 今度は神が頑張っている…
だが虚しくも結果は同じ。
素早くこちらへ駆けてきた
『お前スマイルに何言った?』
「私の極秘情報を……」
「極秘情報ぅ?」
中島が興味津々でそう聞き返した
「…私、実は……」
ごくっ
一瞬あたりが静まり返った気がした
「ううん…やっぱ言えない。何せ“極秘情報”ですから」
「えぇー!?;気になるよねぇ磯野ー?」
俺はどこか悲しそうな顔をしながら言った
『馬鹿野郎…中島、人には…いや、人じゃなくたって生き物にはなぁ…言える事と言えない事ってのがあんだよ』
「…そ…そっか…。;」
それ以上中島は何も聞いてこなかった
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