ネタの収集がつかない
Prendendo un raffreddore.T
「ディムロスが風邪引いたぁ?」
「嘘だっ!」
あの熱血ディムロスが、風邪を引きました。
そう言ったのは、我らがカーレル様の片割れの妹、ハロルドだった。
「ねぇイクティノス少将、なんであのディムロス中将が風邪を?」
あのディムロスが風邪を引いた。この事件は瞬く間にラディスロウ中に広まり、知らぬ者はいないとされる程。でもイクティノスとシャルティエは知らなかったようで。
あの熱血が風邪を引くなんて…、犯人はあいつしかいない、と考えてる奴は大半とみえる。イクティノスに問いかけた同室のシャルティエも、そう思ったのだろう。
「何故私に聞く」
「犯人はアンタしかいないでしょ〜。朝まで真っ裸で寝てたんっしょ」
「そう思っているだけだろうが!!事実は違うかも知れないぞ」
幾ら相手が女性でも、ハロルドに対しては容赦がないイクティノス。真っ昼間からいかがわしい発言はよろしくない、シャルティエもいるんだぞ、とイクティノスはハロルドに顔で訴えた。
「遠回しじゃな〜い。しかもあんたしかいないって、誰でも思うわよ〜。違う、なんて言い切れる?」
「参りました」
ハロルドに云われ、イクティノスは床に土下座した。ごもっともな指摘に完敗のようだ。イクティノスのこの行動は、犯人は自分だと認めたようなものだった。
「やっぱり少将が犯人だったんですか」
「犯人って言うな。犯罪者みたいじゃないか」
激しくツッコミ所が違うぞイクティノス。イクティノスは怪訝そうな顔をしたまま、心外だと言う顔をしていた。
「まぁいいからさ、あんたはとっととディムロスに薬飲ませて来なさいよ」
「そうですよ少将。恋人なんだし風邪引かせたんだから、看病ぐらいしないと駄目ですよ」
二人に凄みながらそう言われ、イクティノスは頷くしかなかった。ハロルドから特製薬(アトワイトとハロルドによる協同作業で出来た怪しい薬)を受け取り、半強制的に自室を追い出されてしまった。そのまま唖然としながら、ディムロスの私室に向かうのだった。
「失礼しますよ」
いつも通りにディムロスの私室に入るイクティノス。いつもならディムロスの反応が返って来る筈なのにそれはなくて。
「ディムロス…?」
イクティノスらしくなく遠慮がちに、ディムロスが寝ているであろう備え付けのベッドにそ〜っと歩み寄る。
案の定ディムロスはそこにぐったりと寝ていて、息は荒く苦しそうな苦痛に満ちた顔。余程熱が高いのだとイクティノスは悟った。
「ディムロス、私です。分かりますか?」
「……?イクティ、ノス…?」
イクティノスはディムロス額をぺちぺち叩きながら問う。ゆっくりとディムロスの開かられた目が、イクティノスを捉える。
中将ともあろう人間が自分の気配さえ気がつかないなんて、と思いながらディムロスを見つめた。ディムロスは相当体調が悪いんだと確定した瞬間だった。
「私のせいですね」
「はっ…お前、の…せい、じゃ…、な、い」
イクティノスはディムロスが風邪をこじらせた理由は、自分にある事は理解していた。ディムロスの手を握りながら呟いたその言葉に返答が来て、イクティノスは多少はびっくりしていた。ディムロスらしい返答である。
「あなたが風邪をこじらせるなんて、と皆言っているぐらいです。多分私のせいですよ」
「そう…、か?私は…そう、思って…ないん、だが、な」
喉も痛いのか、つらそうに喋るディムロスにこれ以上喋るなと黙らせ、変わりにハロルドに渡された薬とコップに入った水を差し出す。ディムロスはとっても嫌そうな顔をしたが、飲まなければ治るものも治らないのでしぶしぶ飲む事にしたようだ。
「げほげほ…っ。この薬は本当に…大丈夫、なの、か…?」
「ただの風邪薬と言ってましたけど、ね。なんせハロルドとアトワイトが作成しましたから…」
大丈夫だと云う確証はないですとイクティノスが言えば、ディムロスは枕を思いっきりイクティノスに投げつけた。
「治らなかったら…、お前を恨むぞ」
「どうぞお好きに。取り敢えずあなたは寝て下さい」
「ああ…。すまないな」
それだけ言うと、ディムロスはベッドに身体を預けて目を閉じた。
(よく風邪を引いた時は情緒不安定とかで人恋しくなるとか…、言ってましたね)
そう思い出したイクティノスは、握っていたディムロスの手を離さずにいた。少しするとディムロスから規則正しい寝息が聞こえて来て、眠りに堕ちた事を確認した。
「おやすみなさい。起きた時は、多少は楽になっているでしょう」
汗ばんだ額に付いている蒼い髪を退け、そこに軽くキスをした。目が覚めた時には、熱が下がっているようにと願いながらーー。
出来る事なら
私が変わりに
to be continue...
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はい、てな訳で続きます。
好きなものを詰め込んだら(ネタが)入りきらなかとたのだ…i|||i_| ̄|○i|||i
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