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ネタの収集がつかない
嫌な旦那


「なんで彼奴は私に対して冷たいんだ!!」


声を荒げたのはディムロス。
自室の机をばんっと叩き、憤慨している。


「そんな事ないですよ。イクティノス少将はディムロス中将に溺愛ですよ」


「はぁ!?」


ディムロスの自室でディムロスの小言を聞いているのはシャルティエだ。シャルティエは優雅にお茶を飲んでいる。二人が一緒にいるのは珍しい事だ。


「何が!?何処が!?彼奴の鬼畜具合の何処に溺愛と云う文字が存在する!?」


私はドMじゃない、とか叫びながらじたんだを踏んでいるディムロスを見るのはとても面白く、シャルティエは妖しく微笑みながらその様子を見ていた。


「それでも好きなのは、何処の誰ですかねぇ」


「うっ…、私だ…」


クスクス笑いながら問い掛けると、ディムロスは図星を突かれ押し黙った。


「お前も黒くなりやがって。どうして私の周りにはまともな奴がいないんだ…」


「ディムロス中将もまともじゃないって事ですよ」


早急の怒りようは何処に消えたのか静かになり、頭を抱えぶつぶつと言いながら机に突伏している。相変わらず喜怒哀楽が激しい奴である。


「失礼します」


「あ、お疲れ様ですイクティノス少将」


ディムロスの様子が大分大人しくなったと思った矢先にイクティノスが仕事を終えて帰って来た。


「それじゃ、僕はおいとましますね。お茶、ご馳走様でした」


「じゃあな」


シャルティエは腰を上げてディムロスに一礼をし入り口まで行くと、其処にいたイクティノスに小声で言った。


「随分愛されてますね」


「当たり前だ」


「鬼畜鬼畜と云われてますよ。優しいイクティノス少将は何処へやら」


「五月蝿いぞシャルティエ」


ディムロスに聞こえないような小声でシャルティエはそれだけ言うと、ニコニコしながら静かに部屋を出て行った。


「お茶ですか?」


「まぁな。お前がいなくなった後、書類に目を通していたらシャルティエが本を貸してくれと言いに来てな。それからお茶しながら話していた」


「一体どんなお話しで?」


「!!」


今までの事を話すといきなりイクティノスに引き寄せられ、バランスを崩しそうになる。

それを受け止められディムロスは抱きつく恰好になってしまった。そして耳元で呟かれ、ディムロスの顔は紅潮する。


「何の話しでもいいだろう」


「気になるじゃないですか」


「気にするな!!」


猫が怒った時のような尻尾を立たせて憤慨するみたいにディムロスは怒る。


「お仕置きが必要ですか?」


「嫉妬か!?男の嫉妬は醜いんだぞ!!」


ディムロスが指を指しながら笑うといきなりイクティノスに噛み付くような接吻をされる。息も出来ないような急速な口付けに翻弄される。


「ふ、ん…はっ…。いき、させろ…よ」


「すみません、忘れてました」


接吻の時ぐらい鼻で息が出来るだろうに、そう思いながら一端離した唇を軽くディムロスに押し当てる。


「なんだ、気味悪いぞ」


「たまには優しくしないと、逃げてしまいそうですからね」


「逃げる訳ないだろう」


まだ気持ち悪い、と云うディムロスだったがイクティノスの一方的な口付けを甘受しながら目を瞑った。


「本当にお前は嫌な奴だな」


「心外ですね」


互いにクスクス笑いながら、その甘い刻を過ごした。






嫌な旦那とは鬼畜な旦那の事である





            fin.
+++++++++
『嫌な旦那』略して『ID』=イクディム(^q^)/
ネタ題提供朱夜様よりでした(笑

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