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ネタの収集がつかない
空のように青く
あなたは綺麗な青をしている。

その青く輝くしなやかな長い髪は

空と同じ深い蒼色で、私を吸い込むかのように誘う。















†空のように青く†










「ディムロス」

ディムロスと呼ばれた髪の長い男は、ソファに腰掛けたままその声がする方向へ振り向く。

「何の用だ、イクティノス」

怪訝そうに眉間に皺を寄せながら、ディムロスは後ろに突っ立っているイクティノスの顔を見る。

「少し外に出て、息抜きでもしませんか?」

天気も良いことですし。
彼はそう言いながら微笑んだ。
その笑顔に負けたディムロスは渋々腰を上げ、二人は部屋を後にした。
イクティノスに連れられ、ディムロスは何がしたいんだと言いたげな顔をしていた。
それはそうだろう。
いきなり外に連れ出され、何故か手を繋いでいる。

「イクティノス、何処まで行くつもりだ?」

不意に疑問に思った事を聞いてみたディムロス。

確かに大分遠くまで歩いて来た気がした。

「何処まで、でしょうね。あなたとなら何処までも行けますけど」

そう言ったイクティノスの顔は、何故か切なげだった。

「空、綺麗だと思いませんか?雲が一つもなくて、まるであなたのその長い蒼い髪みたいだ」

二人で空を見上げていれば、イクティノスが遠回しに綺麗だと言って来たような気がした。

それが恥ずかしくて下へ俯いてしまう。

「お前は…ッ、よくもそんな恥ずかしい事を、言ってのけれるな……!!!!」

恥ずかしさのあまりに、声が上擦ってしまう。

「それはあなたが相手だからですよ」

そうさせたのはあなたですよ、とイクティノスは笑いながら言った。
さっきの切なげな顔は、何処にもなかった。










青い蒼い壮大な空。


あなたの髪と同じ色。


汚れない蒼い髪。


空のように透き通った澄んだ色。


それはいつも私を誘うかのように微笑みかける。



ほら、




また恥ずかしそうに微笑んだ。











            fin

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