エロスが降臨しない件
*月蝕と満月と狼B
「お前…、誘ってんの?」
「?」
ジェイドが意味が分からないと言う顔をした刹那、ピオニーによってその場に押し倒された。
「……ッ!!?」
するといきなり激しいキスをされ、咥内を舌が支配する。
「んっ…はぁ、はっ……!!!!」
ジェイドは苦しいと言わんばかりにピオニーの胸板を叩く。
その様子に気がついたピオニーは、口を離して息をさせてやる。
苦しそうに肩で息をしているジェイドをよそに、ピオニーはジェイドの服の中に手を這わす。
「んッ…!!!」
そうしている内に、赤みを帯び熟れた果実に、ピオニーの指が掠った。
「ここだけで感じるのか?とんだ淫乱だなぁ」
そう言われてジェイドは違うと抗議したかったのだが、ピオニーによってその言葉は喘ぎに変わってしまう。
丁寧に乳首を弄られ、コネられて、舐められて軽く噛まれ、ジェイドは快楽に溺れて行った。
「ピオっ…ニー、ぅぁッ、あ、も、ぅ…!!!!」
「もう終わりか?堪え性が無いな、ジェイド」
ジェイドが欲を放したいと懇願するが、ピオニーはそれを許さない。
「あ、あ、あぁッ…!!!!ゃっ、ふ、ンン…ッ!!!」
結合部分をより深くし、最奥を突くと甲高い声を上げる。
「お前から誘ったんだから、ちゃんと責任は取ってくれよ?」
皮肉めいた余裕の無い笑顔でジェイドに囁いた。
「ふぁっ、お、安い、はっ…ご用…で……ッ!!」
喘ぎながら呟いた言葉。その言葉が途切れ途切れで繋がりはしていなかったが、まだまだ頑張っていいと言われたのか。
「ッ…もっと、喘げよ。狼サンに喰われろ」
「あぁぁぁ!!そ、こ…ゃぁ!!!ふ…ぅぁッ!!!!」
何度、このナカに欲を吐き出しただろう。ピオニーはそんなコトを考えながらジェイドを追い詰める。
「もッ…無理!!!イきた…ッ!!」
「っ俺も、限界…!!」
ピオニーがラストスパートに腰を早く動かすと、ジェイドもそれに合わせて腰を揺らす。
お互いが溺れ、快楽を望む様に。
「ひ、あぁぁぁ!!!!!」
「っ…」
ジェイドが欲を吐き出した後、強い締め付けによりピオニーもジェイドのナカへ欲を吐き出した。
「あーぁ。月見台無しじゃないですか」
酔いが醒めたジェイドは、荒い息のまま言った。
「誰のせいだ」
「私では無いですよ?」
「俺じゃ無い。お前だ確信犯め」
そんな軽い痴話喧嘩の様なモノをしながら、まだ暗い夜空を二人で見上げていた。
「正直酔ってなかったんだろ?」
「おゃ、そんな意地悪な事を言うのはこのお口ですかね?」
ピオニーの頬をつねり微笑む。ピオニーは痛いと言いながらジェイドの手を解く。
「本当に、記憶が無いんですよ。酔ってたんでしょう」
笑いながら言った。
淫らに乱れるジェイドは久しぶりで、少し新鮮だった。ピオニーはこんな日もありかなと思ったのだった。
fin
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