エロスが降臨しない件
*昼下がりの執務室
「んっ…!!ゃぁ…っ」
ジェイドの執務室では陰湿な水音が響いていた。
真っ昼間から35歳のオッサンと36歳のオッサンが部屋に籠もって事に及んでいるなんて、誰も思ったりはしないだろう。
「嫌?嘘つけ。躯は正直なようだぞ?」
クスクス笑うピオニーを睨みつけてみる。
「そんな顔で睨まれても全然怖くないってかむしろ反対にそそる」
顔を真っ赤に染め、目尻には涙を溜めて、口からは飲み込めなかった唾液が流れている状態では、ピオニーにとって煽るものとしかならない。
「んっ…んぁ、あっ!!」
ピオニーが腰を動かせばベッドは軋み、下のジェイドは喘ぐ。 ジェイドの足を肩に掛け、結合部分を深くして突き動かしてやる。
「ひぁっ!!そ、こ…ゃぁっ!!」
イイ所に当たったのか、ジェイドの躯が大きく跳ねる。
「ここか?」
「あぁっ!!はっ…あっあっ!!」
ピオニーがしつこくジェイドのイイ所を何度も突く。 その動きに合わせてジェイドの甘い喘ぎ声が部屋中に響く。
「もっ…イきた…っ!!」
「…っ、イけょ。俺もイきそうだ…っ」その言葉が合図のようにピオニーは腰の動きを早くする。
「んぁっあ、あー!!」
「くっ……」
ジェイドが絶頂を迎え、その時の締め付けでピオニーも後から絶頂を迎えた。
「腰がイタイんですケド……!!!!」
事が終わった後、ジェイドは躯に力が入らず、その原因である元凶のピオニーへ怒りをぶつける。
「す、すいませんでした……」
ジェイドはベッドに躯を預け、顔はピオニーの方へ向いているがその表情は穏やかではない。
ピオニーは汗をダラダラと流し、ベッドのすぐ傍で正座をしていた。
「仕事が終わってないって言いましたよねぇ!?」
ジェイドが仕事をしている最中にピオニーが暇だと言って乱入した挙げ句が、今まさにこの状況である。
「だって…ジェイドが可愛いかったんだもん」
「死にさらせ馬鹿皇帝」
ジェイドは冷めた目でピオニーを見るなりそこら辺にあった本を投げつけてやる。 ピオニーの頭にクリーンヒットし、ピオニーが泣き喚く。
そしてジェイドの執務室からは、ジェイドの罵声と鈍い音が3時間程聞こえていたらしい……。
fin
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