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エロスが降臨しない件
手ノ鳴ル方ヘ@
「ピオニー!!!!!」




謁見の間内にジェイドが叫ぶ声が響く。



ピオニーはディストを庇い、皇帝自ら幼なじみを守り



刺されたのだった。







手ノ鳴ル方ヘ






ファンダムvol2ネタ。










背中を刺されたピオニーは、その場に崩れ落ちた。
ジェイドは忙いで倒れたピオニーの元へ走る。


「ピオニー……ッ!!!!」

「だ、大丈夫だ……。こんなもん、かすり傷……ッ」

かすり傷と言ってもちゃんとナイフは刺さっていた。 大丈夫なハズがない。

「一体貴方は何をして……ッ」

息も絶え絶えなピオニーを少しだけ起こし上げる。

「民を守る、のも、皇帝の役目、だろ…?ゴホッ」

言葉は途切れ途切れだったがジェイドはその言葉をちゃんと聞いていた。

「いくら、サフィールが敵で、あった、としても、あいつは…幼なじみ、だからな……」

そう言うとピオニーは目を閉じた。

少しするとヒーラーが来てピオニーを運んで行った。

「旦那ぁ…、大丈夫か?」

ガイが近寄り、ジェイドに心配そうに声を掛ける。

「すいません、取り乱してしまいまして…」

ジェイドは申し訳なさそうにガイと、アニスと、ディストに謝罪する。

「大佐でも取り乱す事があったんですね」

アニスが驚いたように言った。
戦闘で他のメンバーが深手を負っても、ジェイドがあんな風に叫ぶ事は一度もなかった。

「弱み…ってやつですかね…」

ジェイドは少し笑って、混乱している場を収める為に謁見の間を出て行った。続いてガイとアニスも出て行き、ディストはまた牢屋に戻された。


(本当に陛下が私の弱みだとは思ってなかったのですが……これで認めざるおえませんね…)


ジェイドは心の中で呟いた。 自分があんなに取り乱すとは思ってなかった訳で、少し動揺していた。

「陛下…大丈夫ですかねぇ」

ガイが横でそう呟いた。

「あの人も伊達に皇帝してませんから、息はあるでしょう」

ジェイドが淡々と述べると、ガイが不思議そうにジェイドの顔を覗き込む。

「旦那…怒ってるのか?」

不意にガイが意味の分からない事を言うものだからジェイドは眉間に皺を寄せる。

「私が何に対して怒っていると言うのですか?」

「まぁまぁ。そんな怖い顔すんなって」

ジェイドが怪訝そうにガイに問い掛ける。そんな怖いジェイドを目の前にしてガイが少し汗を流す。

「旦那なら少しは気づいてると思ったんだがね。陛下、服の下に鎧着てたろ?」

「……っ流石伯爵様。気づいてたんですね」

「だって刺されても血は出てなかったしな。あの血は、偽物だろ?」

あぁこの人も鋭い。
ジェイドは改めて思ったのだった。ピオニーに慌てて近づいた時はピオニーは無傷で元気だったと言う事。ジェイドは本当に心配したのに、刺された後からはピオニーの一芝居だった訳だ。

「わざわざ皇帝が罪人を助けに行く必要がありますか?本当に心配したのに裏切られた気分です」

「陛下も芝居が上手いよなぁ」

ガイは納得したように頷いた。上手いのだが、かえってそれが逆鱗に触れてしまう事もあるのだ。

「後で陛下の所に行ってやれよ」

「多分、私が口聞かないと思いますよ」

ジェイドは笑いながらその場を後にし、自分の執務室へ戻った。




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あきゅろす。
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