エロスが降臨しない件
甘ったるいキスをおくれ
朝目が醒めれば温もりを感じた。隣には綺麗に整えられた顔をした金髪の彼が、眠っていた。どうやら自分は彼に抱き締められているようだ。
「……っ、」
今が何時なのかは分からないが、取り敢えず外が明るい気がするのできっと朝なのだろう。
早く起きなければ、そんな思いで彼から逃げて重い躯を起こすが、眠る前の行為のせいか腰に来る鈍痛のお陰があり、彼の温もりが残るベッドにダイブした。
(あー、今日1日辛いですねぇ)
どのくらい激しい行為をしていたのだろうか。三十路過ぎたオッサンがヤるもんじゃないな、と私は思った。この絶倫男をどうにかしてくれ。
「んー…、」
モヤモヤとピオニーへの文句を考えていると、私の視線に気がついたのだろうか。うっすらと目を開けた。
「お早う御座います、ピオニー」
「ん」
まだ寝ぼけているであろうピオニーに挨拶をし、彼なりの挨拶が返される。その姿が可愛らしくなり、ちゅっ、と音を立てて柔らかい唇にキスをした。
「なんだ…、朝から誘ってんのか」
「そんな訳ないでしょう、貴方じゃないんですから」
唇の端を上げてくつくつ笑う彼に少々腹を立てながらもう一度キスを送る。触れ合うだけの口付けは、嫌いじゃない。
「朝からどうした、珍しい」
「気の迷い…、ですかね」
意味分からんぞとか言われたが、彼も悪い気はしないのだろう。一方的な口付けだったのが彼も私に触れるだけの優しい口付けを施す。
「朝からこんな気分も嫌じゃないな」
「どんな気分ですか」
私はクスクス笑いながら彼の広い胸へ顔を押さえつけた。今迄の諸行が恥ずかしくなったのだ。
「なぁ、ジェイド。毎日俺と一緒に寝るなんてどうだ?」
「嫌ですよ。私の身が保ちません」
嬉しいお誘いだが毎日身体が使い物にならなかったら困るので、此処は優しく丁寧に笑顔できっぱりと断っておいた。
優しい口付けは甘ったるい
fin.
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お題から(^O^)/
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