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エロスが降臨しない件
唐突な雪合戦
ルーク一行はケテルブルクに来ていた。ジェイドがマシな休暇を貰い、ケテルブルクに行くと言えば何故かピオニーも同行するハメになったのだ。すると宿の前でディスト=サフィールを発見した。


「あー!!鼻垂れディスト!!」


「誰が鼻垂れですか!!」


「お前何してんの」


ルークとアニスがサフィールを指差し驚く。鼻垂れと言われたサフィールはムキになって怒るのだが、変装していたピオニーによって頭を鷲掴みされ顔が引きつる。


「あなたこそ何故ジェイドと一緒に此処にいるのですか。仕事しろボンクラ皇帝」


「俺は久しぶりに故郷に帰って来たんだよド阿呆鼻垂れサフィール。こいつらは護衛役、だ」


「全く…勘違いしないで下さいよーこの鼻垂れ。好きでこんなのと一緒に居る訳ないじゃないですかー」


今迄サフィールの存在自体を無視していたジェイドだが、ようやく喋る気になったのかピオニーと一緒にサフィールの頭を鷲掴みする。


「私だって…誰も故郷が懐かしくなって帰って来たなんて言いませんからね!!」


(ツンデレかっ…)


ガイとティアとアニスは言いそうになったが、口を押さえて吐き出しそうになる言葉を塞いだ。サフィールはと言うとピオニーとジェイドの手を払いのけていた。


「奇遇ですねぇ。運命感じちゃいそうですよー。そんなアナタに私とピオくんからプレゼントvV」


「ひっ…!!」


雪玉を背中に入れられたサフィールは上擦った悲鳴を上げる。ピオニーは雪玉を作っている模様。


「やってくれましたね……!!」


怒りに満ちたサフィールの反撃!!鼻垂れディストはへなちょこ雪玉をジェイドに投げつけた!!


「うわっ!!」


「はっはっは、私にそんなへなちょこな雪玉が食らうと思いですか。当たるとしたらルークぐらいです」


「ジェイド…きさまぁあぁあぁあ!!」


さぁ大変。ルークが大事で過保護なガイ様は、ルークが雪玉に当たった事により激怒した!!ジェイドの敵は二人になった。


「ピオくーん。早く雪玉投げて下さーい」


「ピオくん言うな気色悪い!!」


雪玉を作っているピオニーの為(?)にガードしていたジェイドは早くしろと促す。
ピオくんの攻撃!!
雪国出身なだけに雪玉の作り方が上手いようだ。


「やりやがったなこの陰険眼鏡ー!!ティア、ナタリア応戦を頼む!!」

「分かったわ!!」


「了解ですわ!!」


雪玉をモロに食らったルークは地面に伏していたが、ジェイドに対しての怒りにより復活した。ティアとナタリアに雪玉を造るように指示する。


「アニースvVこちら側に来たらお小遣いあげますよー?」


「はぁーい大佐、今行きまーすvV」


「しまった、ヤラレタ!!」


圧倒的に不利であろうこの状況を楽しんでいるジェイドとピオニー。そんな中ジェイドはアニスにお小遣いと云う手口で引っ張り出したのだった。前衛型なアニスを無くせば負けになる確率が高い。しかもジェイドとピオニーは雪国育ちなうえにサフィールより雪玉造りは上手い。


「この陰険眼鏡!!今日と云う今日は泣かせてやります!!」


「それは私の台詞ですよ。後で鳴かせてあげます…!!」


しゅばばばば。


雪の壁からサフィールとガイ、ジェイドとアニスの雪玉が飛び交う。


「私に勝とうなんて千年早いですよ!!」


「ぎゃぁあぁああ!!」


「ルークっ!!」


ジェイドの必殺技、高速雪玉によりルークが戦闘不能!!続いてアニスによりナタリアもが雪の積もる地面へと倒れた。


「はっはっは。ピオくんに逆らうからこうなるのだ」


ふんぞり返っているピオニーを無視してジェイドとアニスが雪玉を投げつける。サフィールとティアに当たり、後からピオニーがガイに雪玉を投げつけたのが命中したので試合終了。ジェイドの勝利となった。




「いやー久しぶりにいい汗かいたなー」


「風邪を引かれたら面倒なので、早くシャワー浴びて下さいね。まぁ、馬鹿は風邪引かないと云いますけど」


「やっぱお前陰険眼鏡!!」


その後ジェイドとピオニーの悪戯心により、ルークとガイとサフィールは雪に埋もれたまま放置された。アニスはピオニーから報酬を受け取りティアとカジノへ。雪だるまになっていた3人は風邪を拗らせたとか。
そのせいでマルクトに帰る期間が延びた事にジェイドが気づいたのは、ベッドに入った後らしい。





冬、風邪引き注意。





            fin.


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あきゅろす。
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