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エロスが降臨しない件
身体を摺り寄せて



「今日は一段と冷えますねぇ…」



執務室から窓を見やるとガラスは曇ってはいるがちらほらと雪が降っているのが分かった。



「グランコクマに雪が降るとはなぁ」


「本当に何年振りですかね」



グランコクマは温暖な気候の為、寒い時期でも雪が降る事は余り無く、この様な寒い日は珍しい。



「暖炉が使えて良かったな。お前、凍死する所だったぞ」


「寒い時には冷え性は辛いですから」



ジェイドが呆れた様子で肩に掛けていた服を着直す。やはり寒い様だ。



「寒いんだろ。こっち来いよ」



ピオニーに言われ、ジェイドは怪訝そうな顔をしながらもピオニーの方へ歩み寄る。ピオニーがジェイドの手を握ってやると冷たいのが分かる。



「お前生きてんのか?死人みたいな体温だな」


「冷え性はこんなものですよ失礼な。燃やしますよ?」


「ゴメンナサイ」



何気にジェイドが怖かったのでピオニーは謝ってしまい、ピオニーは自己嫌悪に陥る。そして横に座るジェイドの肩を寄せて身体を密着させた。



「…セクハラで訴えますよ。きゃー誰かァー。陛下が御乱心じゃー」


「誰が御乱心じゃ」



棒読みで小さく叫ぶジェイドの頭をピオニーがパシンと叩く。痛いじゃないかとでも言いた気なジェイドを余所に、ピオニーはそっと頬に接吻をした。






そんなお前が愛しく想えたから





            fin.


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