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エロスが降臨しない件
来る者は拒まず、去る者は地の果て迄も追い掛けろ



『ジェイド!!今日こそ覚悟しなさい!!』



夢にサフィールが出て来た。それだけで嫌悪感。昔はよく言っていた捨て台詞だが今となってはあまり聞く事はない言葉。



「あ〜、よくほざいてましたねぇ」



なぁんて昔に更けていると皇帝陛下が我が執務室に乱入。いい迷惑だ。



「よっ、ジェイド。何してんだ、仕事ほったらかして」


「アナタに言われたかないですねぇ」



寝てたなんて言えるものか。笑顔で毒付いてやると明るかった彼の顔も少しだけ勢いが引いた。効果は抜群の様だ。



「失礼しま…ん?何してるんですかピオニー」



ノックをして入って来たのは夢に出て来た本人サフィール。床に突っ伏して扉の近くに居た陛下を蹴ってしまったらしく床で金色が蠢く。



「何これ」


「愛故にです☆」


「意味分かりませんよ…」


サフィールは困った顔をして私の目の前、机の上に書類を投げ出す。



「コレが頼まれた資料です」


「助かります。ところでサフィール」


「何です?」


「この頃私を避けてません?」



ギクリ。彼の肩が少し揺れたのを見逃さなかった。



「ななな何を言ってるんですか、あはははは」



あからさまに言動が可笑しいですねぇ。



「昔は、ジェイド!!今日こそ覚悟しなさい!!とか言って私の所に来ていたと言うのに、最近は用事がなければ顔を出さない」


「ききき気のせい、ですよ…」



私は座っていた椅子から立ち上がり、サフィールに詰め寄る。それと同時にサフィールは後退る。嗚呼面白い。



「さぁサフィール…私に捕まりなさい」


「いや…いやだ…。やだやだやだうぁぁぁぁあぁぁあ!!!!」


「ははははは」


泣きながら執務室を飛び出して行ったサフィールを追い掛けてみる。そして陛下は無視。



「なぁ、メインはピオジェだよな…?」



最悪な状況の中、ガイが通りかかり陛下に捕まった様だ。そんな事聞かれても困る、ガイはきっとそう思っていたに違いない。



「来る者は拒まず、去る者は地の果て迄も追い掛ける。ですよ、陛下」



えぇ、苛めるの大好きですから。誰ですか?鬼畜野郎とほざいたのは。






嗚呼今日もマルクトは断末魔の叫びだらけ。


来る者は拒み、去る者は地の果て迄も追い掛けるな!




            fin.

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あきゅろす。
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